イギリス空軍が多様性を推進する名目で白人男性を差別していたとして、最高司令官が公式に謝罪した。報告書によれば、2020年から2021年にかけて、161人の女性や民族的マイノリティの候補者が白人男性よりも優先的に訓練プログラムに進められた。
新任のイギリス空軍最高司令官リチャード・ナイトン氏は、「すべての影響を受けた人々に対して謝罪する。同じ過ちを繰り返すことはない」と明言。空軍はこれらの行動を差別に当たると認め、今後の方針を見直す意向を示した。
報告書では、多様性推進を目的とした行為であり違法性は認識していなかったとされる。イギリス国防省は2030年までに軍の女性比率を30%にする目標を設定しており、その一環として行われていた。
当時の担当者であったニコル大尉は、この多様性推進プログラムに反対して辞任に追い込まれた。ニコル氏は性別や民族に基づく選考を、英国の平等法に反すると主張していた。
ナイトン氏は、「過去の行動が許容範囲を超えていたことを認め、影響を受けた全ての人々に謝罪する」と述べ、差別された男性に対する補償も行うと発表した。