中国政府が新たな国境地図を発表し、日本をはじめ、台湾、インド、ロシア、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ネパールなど複数の国の領土に対して領有権を主張したことで、いくつもの政府から抗議が殺到している。
この地図は中国の天然資源省が発表したもので、南シナ海やインドとの国境地帯、台湾全土など、多くの係争地が含まれている。中国による領有権主張はこれまでも行われており、特に習近平国家主席の下で、その野心が増している。
ロシアに対しては、2005年に最終的に領土問題を解決したとされていたが、新しい地図にはその合意を無視する形で、ボリショイ・ウスリースキー島が中国領とされている。ロシア政府はこの問題に対して公式なコメントを出していない。
国境紛争地帯を抱えるインドとは、G20首脳会議を控えて緊張が高まっている。インド政府はこの新しい地図に強く反発し、領土侵害だと非難している。
マレーシアもまた、自国の排他的経済水域(EEZ)が中国によって侵害されているとして、この地図に反対の意を示している。
台湾は、長年にわたる中国の領有権主張に反発している。領有権主張に武力行使が伴うことの危険性に警鐘を鳴らしている。
日本の尖閣諸島も中国領とされている。
中国政府は各国の抗議に意を介さず、新たな地図を「愛国教育の要であり、新時代におけるイデオロギー活動に不可欠」としている。