明暗分かれる中韓の対応 デマを流す中国政府、デマを率先して訂正する韓国

 中国と韓国の東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に対する対応が大きく異なっている。習近平政権はSNS上の「心配はいらない」という投稿を削除し、そのアカウントも封鎖している。これに対し、韓国政府は「福島の海が変色した」とのデマについて、事実確認をした上で「フェイクニュースだ」と発表した。

 中国の短文投稿サイト、微博(ウェイボ)では、24日に欧州在住の中国人原子力専門家が具体的なデータを根拠に「心配するに値しない」と投稿したが、すぐに削除された。中国当局が情報発信を厳格に管理しているとみられる。

 一方で、韓国政府は国内で拡散されたデマについて、東京電力に事実関係を問い合わせた後、国民に対してその誤情報を訂正した。さらに、国内産水産物の安全性を証明するために、大統領府の食堂でも水産物が提供された。

 これらの違いは、情報の透明性と信頼性に対する両国政府の姿勢を反映していると言える。中国は科学に基づいた意見を一方的に制限し、国民に政府の見解を押し付けている。一方で、韓国は虚偽の情報に対して科学的根拠に基づいた情報提供を行い、国民からの信頼を勝ち取ろうとしている。

 民主主義の価値観を共有する韓国の姿勢は、今後の国際的な危機に対する共同対応の基盤となるであろう。このような対応の違いは、今後、両国の国際的な信頼性や影響力にどのように反映されるかが注目される。

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